[本文より]
2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で,惑星の定義と太陽系天体の新たな分類が決められました。これを受けて,これまで惑星に区分されてきた冥王星は,惑星から外されることとなりました。世間では,冥王星が「惑星から降格された」とか,新たな天体種別としてIAUが提案した「準惑星」という名称についての関心が高まりましたが,天文学的に見ればそれらは事の本質ではありません。近年の科学の進歩により,太陽系の姿は従来の教科書に書かれているものに比べて,大きく広がったことが本質です。太陽系に関する授業ではそのことを確実に教える必要があります。
東京大学教授 岡村定矩