現代人気小説では、作家によりその作風に特徴があります。刻々と変化するプロット展開の巧妙さ、連続する大がかりなアクション場面、男女の揺れ動く内面の恋愛感情、深刻な社会問題の問題提起、国際紛争やスパイ戦争、など多岐にわたります。今回、取り上げるカナダ人作家Joy Fieldingは、若い母親など女性を主人公とする家族劇をサスペンス風に描く作家です。フィールディングの生み出す登場人物は、現実からかけ離れた人々ではなく実際に周囲のどこにでもいるような存在ですが、その立体的な人物描写と登場人物同士の対話により小説自体を迫力あるものにしています。アメリカ人作家に多く見られる俗語もなく、対話部分は現代口語英語の手本のようです。
兵庫県立伊川谷高等学校 大西博人
A4判たて,4ページ
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