第2回 東書フォトコンテスト 自然科学部門 奨励賞

自然科学部門 奨励賞

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  • モルフォチョウ《構造色の秘密》(9枚組み写真)
  • 長野市立古牧小学校 中沢 英明
  • 撮影年月日 2009年10月8日
  • 撮影場所 長野県長野市

応募者解説

 「生きた宝石」と呼ばれるメネラウスモルフォ(Morpho menelaus)の翅は非常に美しい青色の金属光沢を持つ(作品1)。そして,見る角度によって色合いが変わる(作品2)。このことから,翅の色は色素によるものではないことが予想される。翅を双眼実体顕微鏡を使い40倍で観察すると青色の鱗粉が見られる。青色でないところは鱗粉がとれてしまったためである(作品3)。さらに,光学顕微鏡を使い100倍(作品4),400倍(作品5)と拡大していくと,1枚の鱗粉が単色の青色でなく,微妙に色合いが違うことや鱗粉表面に筋のようなものが見えてくる。表面の構造を詳しく調べるために,走査型電子顕微鏡(SEM)で350倍で観察すると鱗粉表面の筋がはっきり分かる(作品6)。 さらに,5000倍(作品7)に拡大すると,1本1本の筋は,高さを持つ構造物であることが分かる。そこで,鱗粉を切り,断面を7500倍(作品8),50000倍(作品9)で観察すると,筋は棚のような構造を持っていることが分かった。これが,青色の波長の半分にあたる20nm間隔に並んでいることにより,光が干渉され,青色のみが反射される。このように光の波長より短い微少な構造物により見える色を「構造色」と呼び,身近なものではCD,シャボン玉の虹色,クジャクの羽根,ネオンテトラの鱗などがあります。色素と違い,色あせることがありませんので,繊維やメッキ等で実用化されています。

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