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- クロマダラソテツシジミの好蟻牲器官とクロオオアリ
- 一般応募 道端晃
- 撮影年月日 2019年9月〜11月
- 撮影場所 兵庫県 尼崎市
応募者解説
外来種のクロマダラソテツシジミですが,関西でも近年はいずれかの地で発生しており,繁殖力の強さからしばしばソテツの新芽が食い尽くされるという現象も起こっています。
1.11月に入ってから羽化した低温期型のメス。2.の通常期のメスとは裏表の斑紋が別種のように全く違います。
2.メスは交尾後ソテツ新芽のいたるところに産卵します。
3.たくさんの幼虫による新芽の食害状況。クロオオアリは幼虫の尾部背面に興味を示しています。
4.幼虫はアリを支配する効果のある白っぽい伸縮突起を伸ばすとともに密線より密を出してアリを誘引します。
5.水滴となった密に近づくアリ。
6.アリを誘引する「好蟻性器官」・・・・伸縮突起と密線付近の拡大画像。肉眼ではなかなか見えずらい器官ですが,
こうして拡大すると位置や形状が良くわかります。
【撮影について】
近所の公園のソテツで発生したもので,ここ3年は秋季には連続で発生しています。
オリンパスOMD EM-1 MarkIIにマクロレンズ,および広角レンズ使用。
幼虫の成長スピードがとても速い蝶なので短期間に何度も訪れて撮影しました。
講評
ソテツの新芽を食害するクロマダラソテツシジミ,その分布拡大や成虫の雌雄差は,ト
ピックスとしてとりあげられている。またアリが幼虫をなめることは知られているが,
道端氏はその様子やイソギンチャクのような伸縮突起,蜜腺なども明瞭に写している点
を高く評価する。この写真はアリと本種との共生関係をより詳しく知る手掛かりとなろ
う。
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