- カワラノギクを守る
- 相模原市立相原中学校 越智優心
- 撮影年月日 2016年 10月30日
- 撮影場所 神奈川県 相模原市 緑区 相模川の川原
応募者解説
カワラノギクは,神奈川県の相模川と東京都の多摩川と栃木県の鬼怒川などの一部地域で川原だけに生息しています。
キク目キク科の二年草で,全長は60〜100cmです。1927年に東京都立川市の多摩川で発見されました。
大きな丸い石がゴロゴロしているような河原(玉石河原)を好み,他の草がたくさん生えている場所では育ちません。
川が整備されて洪水が少なくなって玉石河原が減少したことで,絶滅のおそれがあり,
現在はカワラノギクが「絶滅危惧種」になっています。
カワラノギクはノコンギクやヨナメなどのノギク科に似ていて,花の違いは,はっきりしていませんが,
葉が細長いところがカワラノギクの特徴です。
カワラノギクは10〜11月に花が咲きます。花の大きさは3-4cmで,中心は黄色,まわりの部分は白や薄紫色です。
葉は6-7cmで細長く,花の近くにいくほど短くなっています。
1997年に「カワラノギクを守る会」ができて,保護活動を行い,現在は相模川沿いの他の地域まで
広がるようになりました。
カワラノギクが生息する河原の近くの湘南小学校では,授業の一環として保護活動を行っています。
「カワラノギクを守る会」の会長のお話では,多くの人に興味を持ってもらうために「花見会」
などのイベントを行っているそうです。
【撮影について】
ペンタックスK−3,シグマ10-20mm,タムロン18-250mm
講評
美しいカワラノギクの群生地で群れて咲く生育状況のわかる写真です。
川原の生育環境をしっかり捉え、植物図鑑的な性格ももつ優れた写真です。
特に、花のアップと視点を変えて生活全体を捉えた組写真の構成が見事です。
次回は、もう一歩踏み込んで岩影の芽生え,生育中の草体,種の稔りなど,
カワラノギクの一生のストーリーを作ってください。
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