第7回 東書フォトコンテスト賞
東書フォトコンテスト賞

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  • カタツムリの交尾
  • 一般応募 加藤 一郎
  • 撮影年月日 2012年9月5日
  • 撮影場所 神奈川県小田原市

応募者解説

 力タツムリは「肺」で呼吸をし,陸にすむ貝ということで,陸貝(りくがい)と呼ばれている。
 一般にカタツムリと呼ばれる有肺類では頭部に触角が大小2対あり, 大触角の先端には目がある。また,他の有肺類と同様に雌雄同体で,触角の後方側面に生殖孔と 呼ばれる生殖器の開口部があるが,普段は閉じていて目立たない。 生殖行動時には内部から管のような陰茎が反転翻出し相互に生殖孔に挿入し交尾が行われる。
 カタツムリの1年間の生活は,冬眠→めざめ→交尾→産卵→幼貝→成長と四季の変化に応じた生活をしている。
 餌はほとんどの種は植物性のものを食べ,生の植物や枯葉などのやや分解の進んでいる植物遺骸などを食べるほか,菌類を餌とするもの,雑食性のものなどがあり,一般にやや広い食性をもつと言われている。

(写真1)大きな岩の上を二匹のカタツムリが徘徊しながら近付いている所です。  (17時37分)


 雌雄同体のカタツムリは,お互いに精子をやりとりし,交尾した両方が産卵するといわれている。 交尾には2〜3時間かかり,交尾が終わり3〜4週間経つと産卵が始まります。 産卵しても無事親まで育つ可能性の少ないカタツムリは両方で産卵するという繁殖方法で 子孫を残すといわれています。

(写真2)交尾を始めるために接触した写真(17時38分)


(写真3)上部のカタツムリの大触角の後方側面に生殖孔が見えます。


(写真4)陰茎を相互に生殖孔に挿入している写真(17時40分)


(写真5)交尾を開始して24分後の写真(18時02分)


《撮影機材》 ニコンD7000 AF マイクロニッコール105mm
内臓フラッシュ 三脚

講評

陸産貝類であるカタツムリは,あたたかい雨期によく見られる。成熟した二匹が出会うと互いに恋矢(れんし)を生殖孔に挿入し,精子を交換しあい,いずれも産卵できる。これらの写真は出会いから交接まで,みごとに撮影している類まれな力作である。
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