「教科書のカラーバリアフリー」平成24年度版中学校教科書のご紹介:東京書籍
教科書のカラーバリアフリー −見やすく,分かりやすい教科書−

これまでの取り組み

  • 1984年,文部省(当時)の働きかけで教科書協会・教科書研究センターに,「色覚異常児童生徒のための教科書色刷り態様改善に関する調査研究委員会」が設置されました。同委員会が実際に色覚特性のある人を交えて当時の教科書を調査したところ,かなりの割合で弁別しにくい色の組み合わせが見つかりました。2年後の1986年,同委員会は『色覚異常児童生徒のための教科書色刷り改善の手引き』を作成して,各教科書出版社に配布しました。
  • 弊社では,この手引きをもとにして,編集段階で色に関するデザインに配慮するとともに,申請本の段階で専門家にチェックを依頼するなどして,色によって学習上の支障が生じないようにしてきました。

教科書のカラー化時代の取り組み

  • 平成14年本では,小学校,中学校の教科書のほとんどが4色化されました。また,平成15年度からは学校での色覚検査が廃止されました。この廃止を巡っては賛否両論がありましたが,自分の色覚特性を自覚できない子どもや,子どもたちの色覚特性を把握できない先生が増えることは確実です。こうした状況の中で,教科書・教材などの印刷物での色覚特性への配慮は,一層重要になると考えます。
  • 弊社では,カラーコーディネーターの資格を持つ編集部員を中心に,編集者やデザイナー,図版作成者,イラストレーターへの徹底を図るために,研修会を実施したり冊子を作成したりして,研修・教育を行う一方,後述のように色覚特性のある人に検討を依頼し,遺漏のない対応に努めています。
  • ただ,色覚特性は個人差が大きく,単に配色を工夫したり色を調整したりするだけでは,全ての人に対してカラーバリアフリー化を実現することはできません。
  • そこで弊社では,色だけに頼らない「デザイン」を基本として,具体的に,以下のような点に配慮しています。
  • 色を手がかりにして必要な情報を見分けなければならない表現は避ける。必要に応じて,形,飾り(斜線,点,模様など),記号,配置,文字情報など,色以外の手がかりを併記する。
  • 地図などの複雑な図で,やむを得ず色による区別を用いる場合には,可能なかぎり隣接する色どうしに明度の差をつけ,色覚の特性にかかわらず判別できるようにする。また,色と色の境界に輪郭線を入れたり,白いフチどりをしたりするなどの配慮をする。
  • 棒グラフ,円グラフ,帯グラフは,要素ごとに輪郭線で区切る。
  • 複数の折線からなる折線グラフでは,凡例を別枠とせず,折線に直接凡例を記載する。また,折線どうしが交差する場合は,色だけでなく線の形(実線と点線など)や太さを変える。
  • 色が敷かれている面に文字をのせる場合は,暗い色面には白い文字,明るい色面には黒い文字を基本にし,さらに必要な場合にはフチどりを用いる。
  • 色の名前を用いた指示や設問(緑色でぬりましょう,赤いりんごはいくつありますか,など)は,原則として用いない。

平成24年度版中学校教科書では

  • 弊社発行の教科書は,2003(平成15)年から色覚問題に取り組むボランティア団体の協力のもと,検定申請前の原稿段階で全教科の全ページについて,色覚特性のある人および専門の眼科医に点検をしていただき,学習上支障がある箇所については改善してきています。平成24年度版中学校教科書においても,こうした全教科全ページにわたる点検を徹底し,万全の処置を講じています。

教科書を使用する子どもへの配慮

  • 弊社の教科書は「カラーバリアフリー」を含む「ユニバーサルデザイン」をめざし,例えば以下のような点に配慮しております。
  • 特別支援教育への配慮(読みやすい書体の開発や使用,区切りのよい箇所で改行する,シンプルでわかりやすいレイアウトなど)
  • 化学物質過敏症への対応(用紙,インキ,表面加工の研究と改善)
  • 長期の使用に耐える堅牢性と機能性を兼ね備えた製本様式など
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