株式会社小峰書店は,チョコレートやココアを使った実験を通じて,火山のしくみを学ぶ書籍『世界一おいしい火山の本 チョコやココアで噴火実験』(林信太郎・秋田大学教育文化学部教授:著,税込価格1,575円,小学校高学年から)を,2006年12月6日に刊行いたしました。

【本書の内容】

おいしい10の実験を収録…ココアを火山に見立てた「カルデラ実験」や,ガナッシュクリームをマグマに模した「潜在溶岩ドーム実験」など,噴火のしくみをイメージできる10の実験を収録しました。あわせて実際の噴火の例も説明しています。終わった後には食べることもできます。

また,噴火の破壊範囲と怪獣・ガメラの破壊範囲を比較したり,富士山噴火の推定被害総額の札束の高さを,富士山自体の高さと比べてみたりといった,噴火という現象の巨大さを実感できる工夫もなされています。

火山と「つきあう」視点…噴火の恐ろしさばかりでなく,火山の「めぐみ」にも目を向けます。噴火の土砂によってつくられる平らな土地や,ダムにたとえられる保水力,そして温泉といった人間に有用な面もくわしく説明。災害を避け,こうした火山の恩恵を受けるには,科学的知識に加え,噴火の危険性のイメージを持つことが重要だと語ります。

専門家ならではの防災教育…噴火に遭遇してしまった場合のサバイバルの心得についても触れています。ナベで頭を守り,マスク代わりにタオルを使うなどの対応はもちろん,前兆現象の重要さや,高速の噴火現象の存在について説明し,「気象庁などから警告があったら,一見何もないように見えても,自主的に警戒避難をして,自分の身は自分で守った方がよい」と呼びかけます。

【執筆のきっかけ−「楽しく学んで噴火にそなえる」】

著者が本書を執筆したきっかけは,数々の災害現場を調査に訪れ,被災者の方々の苦労を目にしたことです。43人もの犠牲者を出した1991年の雲仙普賢岳の噴火では,行政や住民,マスコミが火砕流の危険性をよく認識していなかったことが甚大な被害につながったとの指摘があります。こうしたことから,噴火による被害を減らすために,どうすれば火山の知識や噴火のイメージをわかりやすく伝えられるかというテーマを温めてきました。

そのヒントになったのが,趣味の料理やお菓子作りです。キッチンで起こる現象が,噴火のさまざまな現象に似ているのに気づいたことから,ユニークな「キッチン火山実験」が生まれました。著者はこうした実験を中心に,地元の小・中学生に火山について講義する「出前授業」を続けており,本書はその集大成でもあります。

【中学校の理科の授業にもきっと役に立ちます!】

この本の内容や実験は,中学校の理科の授業でも役に立ちます。

実験や内容のほとんどは,教科書から見ると発展的な内容になっていますが,授業の導入部分や発展的学習に使うと子ども達に関心を持たせることができると思います。

また,ソースやマヨネーズで行うマグマのねばりけの実験は,そのままマグマのねばりけの学習に使えます。

実際,この本に出てくる実験や内容を使った,中学校での公開授業と公開研究会(2006年度に3回)や小中教員対象の教員研修会(2006年度に1回)が行われています。

また,この本は子ども向けにわかりやすく書かれていますが,内容は意外に高度で,現在の火山学の最先端部分についてもさりげなく書かれています。大人が読むと1時間半ほど読めてしまいますが,これだけ短時間で火山学のエッセンスを吸収できる本は他にはありません。

また,火山噴火にまつわる様々なエピソードも書かれています。

この本を読んでいただくと,小学校の「大地の変化」や中学校の「火をふく大地」の授業に役に立つと思います。

ぜひ,この本を授業にご活用下さい。

お問い合わせ  
林 信太郎先生 秋田大学教育文化学部人間環境課程地学研究室
秋田市手形学園町1-1 018-889-2651(研究室直通)/
E-Mail:
株式会社 小峰書店 東京都新宿区市谷台町4番15号  TEL: 03-3357-3521
世界一おいしい火山の本―チョコやココアで噴火実験 (単行本)